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1 もろもろの民よ、これを聞け、
すべて世に住む者よ、耳を傾けよ。
2 低きも高きも、富めるも貧しきも、共に耳を傾けよ。
4 わたしは耳をたとえに傾け、
琴を鳴らして、わたしのなぞを解き明かそう。
5 わたしをしえたげる者の不義が
わたしを取り囲む悩みの日に、
どうして恐れなければならないのか。
6 彼らはおのが富をたのみ、
そのたからの多いのを誇る人々である。
7 まことに人はだれも自分をあがなうことはできない。
そのいのちの価を神に払うことはできない。
8 (49:8 49:9) とこしえに生きながらえて、墓を見ないために
そのいのちをあがなうには、あまりに価高くて、
それを満足に払うことができないからである。
9
10 まことに賢い人も死に、
愚かな者も、獣のような者も、ひとしく滅んで、
その富を他人に残すことは人の見るところである。
11 たとい彼らはその地を自分の名をもって呼んでも、
墓こそ彼らのとこしえのすまい、
世々彼らのすみかである。
12 人は栄華のうちに長くとどまることはできない、
滅びうせる獣にひとしい。
13 これぞ自分をたのむ愚かな者どもの成りゆき、
自分の分け前を喜ぶ者どもの果である。〔セラ〕
14 彼らは陰府に定められた羊のように
死が彼らを牧するであろう。
彼らはまっすぐに墓に下り、そのかたちは消えうせ、
陰府が彼らのすまいとなるであろう。
15 しかし神はわたしを受けられるゆえ、
わたしの魂を陰府の力からあがなわれる。〔セラ〕
16 人が富を得るときも、
その家の栄えが増し加わるときも、恐れてはならない。
17 彼が死ぬときは何ひとつ携え行くことができず、
その栄えも彼に従って下って行くことは
ないからである。
18 たとい彼が生きながらえる間、自分を幸福と思っても、
またみずから幸な時に、人々から称賛されても、
19 彼はついにおのれの先祖の仲間に連なる。
彼らは絶えて光を見ることがない。
20 人は栄華のうちに長くとどまることはできない。
滅びうせる獣にひとしい。